土地についても減価償却費を計上できるようにしたほうがいいのではないか

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土地は時の経過により価値が減少しないので、減価償却できない

建物や車両など、時の経過により価値が減少していく資産については、耐用年数にわたって減価償却費を計上して費用化していきます。

例えば、5,000万円の建物を取得して耐用年数が20年だとすると、毎期250万ずつ減価償却費を計上することになります。毎期建物の簿価が250万ずつ減少していき、20年後には簿価は1円になります。

ところが、土地を5,000万円で購入した場合は、価値が減少しないということになっていますので、減価償却費は計上できません。20年後も簿価は5,000万円のままなのです。

土地と建物とでのキャッシュフローの違い

キャッシュフローに与える影響をみていきます。

賃貸用マンション1億円(内訳は土地2,000万円、建物8,000万円、耐用年数22年)と駐車場用敷地1億円の場合で考えます。投資額は同じ1億円でキャッシュで購入したとします。

マンションの家賃収入は年800万円、減価償却費は年368万とし、駐車場収入は年800万円、減価償却費は0とします。法人税等の税率は30%とします。実際には、マンションと駐車場の収入が同じということはないと思いますが、単純にキャッシュフローの比較をするため、この金額にしました。

マンションの場合の2年目から22年目までの毎期のキャッシュフローは以下のようになります。

税引前利益 800万円ー368万円=432万円
税引後利益 432万円ー432万円×30%=302.4万円
キャッシュフロー 302.4万円+368万円=670.4万円(減価償却費はお金が出ていかない費用なので、プラスします。)

駐車場の場合は以下の通りです。

税引前利益 800万円ー0=800万円
税引後利益 800万円ー800万円×30%=560万円
キャッシュフロー 560万円

利益は駐車場のほうが大きくなるのに対し、減価償却費が計上できる分、マンションのほうが、年110.4万円もキャッシュフローが良くなります。22年間の合計では、2428.8万円もの差になります。

減価償却できないということは、これほどまでにキャッシュフローに影響を与えるのです。

土地の価値は今後減少が予想されるので、費用化できたほうがいい

なぜ、土地は価値が減少しないとされているのでしょうか。戦後からバブルがはじけるまで、日本の土地の価額は上昇していました。その前提が今後も成り立つのであれば、土地は減価償却をしなくても大きな問題にはならないかもしれません。

しかし、20年以上も前にバブルははじけ、土地の価額は下落しました。都心などのごく一部の土地を除けば、土地の価額が今後上昇するとも思えません。むしろ、下落すると考えるほうが自然ではないでしょうか。

土地の価額の下落は、減価償却でいう「時間の経過とともに価値が減少する」ものではありませんので、減価償却をするというのはなじまないでしょう。

ほかの方法で費用化できるような制度を検討したほうがいいのではないでしょうか。土地を購入して価値が下落するのに費用化できない、キャッシュフローが悪くなるというのでは、土地を購入する人が少なくなり、ますます土地の価額が下落するということにもなりかねません。

時代の変化に合わせて、税務や会計の制度の改正を期待したいところです。

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渡邉 朝生
1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。

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