太陽光発電の売電収入は、事業所得or雑所得?それとも不動産所得?

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我が家の屋根には、ソーラーパネルが付いています。

発電した電気のうち、自分で使った分を差し引いて、余った電気を東京電力に買取ってもらっています。

この買取ってもらった金額は、確定申告をする必要があります。

ということで、太陽光発電の売電収入がある場合の確定申告について、ケースごとに書いてみます。

自宅に太陽光発電装置を設置している場合

雑所得の計算

自宅に太陽光発電装置を設置している場合の売電収入は、雑所得になります。

雑所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。

総収入金額は、売電収入の金額です。

必要経費には、太陽光発電装置の減価償却費を計上します。

太陽光発電装置は機械装置に該当して、耐用年数は17年(定額法の償却率は0.059)になります。

発電した電気のうち、売却した電気に対応する部分のみが減価償却費として経費に計上出来ます。

例えば、1年間の発電量が7,000kwhで、そのうち5,000kwhを売電したとします。(買取価格は31円/kwh)

太陽光発電装置の取得価額は、200万円、耐用年数は17年です。減価償却方法は定額法とします。

この場合の雑所得の計算は、以下のようになります。

総収入金額 5,000kwh×31円=155,000円

必要経費 2,000,000×0.059×5,000/7,000=84,285円

差し引き 155,000ー84,285=70,715円

確定申告不要の場合もある

年末調整をした人で、1カ所から給与をもらっている場合は、給与所得以外の所得が20万円を超えなければ確定申告の必要はありません。

ですから、上記の場合は確定申告不要ということになります。

しかし、医療費控除や寄付金控除、住宅ローン控除を受けようとして、確定申告をする場合は、20万円以下の収入も含めて確定申告する必要がありますので、注意してください。

医療費控除で戻ってくる税金よりも、売電収入によって増える税金が多い場合は、医療費控除の確定申告をしないほうがいいことになります。

また、住宅ローン控除の1年目は必ず、確定申告が必要になります。その際は、売電収入を忘れないようにしましょう。

さらにもう一つ、所得税の確定申告が不要になった場合でも、住民税は確定申告不要にはなりませんので、注意が必要です。

事業所得になるケース

かなり少ないとは思いますが、自宅の売電収入でも、事業所得になる場合があります。

例えば、自宅の他にも太陽光発電装置を所有していて、売電収入で生計を立てているような場合は、自宅の売電収入も含めて事業所得になるでしょう。

通常は、雑所得になります。

自宅兼店舗に太陽光発電装置を設置している場合

自宅兼店舗の場合は、事業所得の不随収入になります。

事業所得の計算

事業所得の計算も、雑所得と同じように、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。

しかし、減価償却費の計算は面倒になります。

例えば、1年間の発電量が7,000kwhで、そのうち5,000kwhを売電したとします。(買取価格は31円/kwh)

太陽光発電装置の取得価額は、200万円、耐用年数は17年です。減価償却方法は定額法とします。

建物全体のうち、店舗部分は50%とします。

この場合、事業所得のうち、太陽光発電にかかる部分の計算は以下の通りです。

総収入金額 5,000kwh×31円=155,000円

必要経費  2,000,000×0.059×5,000/7,000=84,285円

差し引き  155,000-84,285=70,715円

この他に、売電収入以外の部分に対応する減価償却費は以下のようになります。

2,000,000×0.059×2,000/7,000×50%=16,857

考え方としては、売電にかかる部分は全額必要経費になるので、それ以外の部分を求めます。(2,000/7,000)

そのうち、50%が事業用ですので、50%部分を乗じたものが、売電にかかる部分以外で必要経費になる部分ということになります。

売電収入は、事業所得の総収入金額に含めればいいのですが、減価償却費の計算は、少し面倒になるということです。

賃貸アパートに太陽光発電装置を設置している場合

余剰電力の売却収入の場合

賃貸アパートに設置した太陽光発電の余剰電力の売電収入は、不動産所得になります。

賃貸アパートの場合は、余剰電力の買取でも、通常使用するのは共用部分の電気でしょう。

共用部分の電気代は、もともと不動産所得の必要経費になるものですから、太陽光発電装置の減価償却費は、全額不動産所得の必要経費になります。

しかし、アパートの1室に自分が住んでいるような場合は、事業所得のときと同じように按分することになるので、少し面倒になります。

全量買取の場合

余剰電力の売電の場合は、発電した電気が共用部分の電気代になり、不動産所得の必要経費になります。

一方、全量買い取りの場合は、不動産所得との関連はありません。

したがって、賃貸アパートに設置した太陽光発電装置の全量買取による売電収入は、雑所得になります。

もちろん、他にも太陽光発電装置があり、それによって生計を立てているような場合は、事業所得になります。

賃貸アパートの場合は、余剰電力の売却か、全量売電かによって、所得区分が異なってきますので、気をつけましょう。

まとめ

太陽光発電による売電収入は、自宅、自宅兼店舗、賃貸アパートのいずれに設置しているかによって、所得区分が変わってきます。

さらに、賃貸アパートの場合は、余剰電力の売電か、全量売電かで、所得区分が変わります。

太陽光発電による収入がある人は、自分がどれに該当するのか、よく確認するようにしましょう。

また、確定申告不要の要件も確認が必要です。

給与所得者が自宅に設置した場合で、年末調整が済んでいるのであれば、確定申告不要のケースが多いと思います。

この場合でも、医療費控除やふるさと納税で確定申告する場合は、売電収入の申告が必要になることも忘れないようにしましょう。

【編集後記】

わたしの場合は、2015年は給与所得者でしたが、住宅ローン控除初年度であったため、確定申告をしました。

もちろん、雑所得して売電収入を申告しました。

しかし、2016年は独立開業をしたので、自宅兼事務所になり、事業所得として申告します。

自分の状況が変わっても、所得区分が変わるということですね。


 

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渡邉 朝生
1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。

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1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。