所得税の源泉徴収と住民税の特別徴収は、半年に一度の納付にしよう

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会社や個人事業主が給与を支払う際は、所得税や住民税を源泉徴収しなくてはいけません。(正確には、住民税の場合は特別徴収と言いますが、この記事では、所得税と合わせて源泉徴収と言うことにします。)

個人事業主で給与を支払わない人の場合は、税理士報酬などの報酬についても、源泉徴収はしなくてもいいことになっています。

フリーランスと一人社長における源泉徴収義務の違い

2016.12.15

所得税や住民税の源泉徴収と納付

会社や個人事業主が給与を支払う際は、所得税や住民税を源泉徴収します。

そして、その源泉徴収した所得税や住民税は、源泉徴収した日の翌月10日までに、国や市町村に納付します。

個人事業主が青色事業専従者に給与を支払う場合も、源泉徴収の必要があります。

支払った時に源泉徴収をするというころが、ポイントです。

例えば、給与の締め日が末日で、翌月10日支払いの場合、源泉徴収は翌月の10日にすることになります。

仕訳で説明します。(給与の締め日 3月31日、支払日 4月10日)

3月31日の仕訳
給与 300,000  未払金 300,000

4月10日の仕訳

未払金 300,000普通預金     270,000
預り金/源泉所得税 15,000
預り金/住民税   15,000

預り金が計上されるのは、あくまでも4月10日です。

給与の締め日である3月31日ではありません。

ですから、3月31日に次のような仕訳を切るのは間違いということになります。

給与  300,000未払金      270,000
預り金/源泉所得税 15,000
預り金/住民税   15,000

そして、4月10日に源泉徴収した所得税や住民税は、5月10日までに国や市町村に納付することになります。

締め日と支払日が、同じ月の場合は、会計ソフトの入力では、支払った日に以下の仕訳を入力しても問題はないでしょう。

給与  300,000普通預金      270,000
預り金/源泉所得税   15,000
預り金/住民税     15,000

源泉徴収した所得税や住民税の残高を、会計ソフトで確認する場合に、仕訳をする月を間違えてしまうと、残高がおかしくなりますので、注意しましょう。

源泉所得税の納期の特例

源泉所得税は、徴収した月の翌月10日に国に納付しなければいけません。

しかし、給与の支払いを受ける人が10人未満の会社や個人事業主は、特例により、年に2回(7月10日と翌年1月20日)の納付にすることができます。

1月から6月までの間に源泉徴収した所得税は、7月10日までに、7月から12月までの間に源泉徴収した所得税は、翌年1月20日までに納付すればいいということになります。

この特例を受けるには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出する必要があります。

納める源泉所得税の総額は変わりませんが、納める回数が、年12回から年2回になりますので、手間はかなり少なくなります。

一つ目の注意点は、納期の特例が適用されるのは、申請書を提出した翌月からという点です。

例えば、今日4月19日に提出したら、5月から適用です。

4月に源泉徴収した所得税は、原則通り、5月10日までに納付しなくてはいけません。

会社設立直後に給与や、司法書士への報酬を支払っている場合は、気をつけましょう。

二つ目の注意点は、源泉所得税の額が高額になる場合は、資金繰りの計算をしっかりとしておく必要があるということです。

10人未満の会社でも、半年分の源泉所得税が数百万円になることもあります。

住民税の納期の特例

住民税についても、所得税と同じように納期の特例があります。

住民税の場合は、給与の支払いを受ける人の住所地の市町村ごとに納期の特例の申請をする必要があります。

従業員が5人いて、それぞれが異なる市町村に住んでいる場合は、5つの市町村に申請をしなくてはいけません。

複数の市町村に従業員がいる場合は、少し手間がかかります。

基本的には、申請をするのは一度だけですので、2年目以降の手間はかかりません。

新しく入社した従業員が、今までの従業員と異なる市町村に住んでいる場合は、新たに、その市町村への申請が必要です。

住民税の納期の特例の申請書の提出期限と、効力の発生日は、市町村によって違うと思いますので、ご自身の市町村に確認をしてみてください。

税務署よりは、融通のきく市町村が多いのではないかと思います。

そして、所得税と住民税の一番の違いは、納付期限です。

住民税は、前年の所得に基づいて算定した今年度の住民税を6月から翌年5月に分けて、毎月天引きします。

ですから、納付期限は、6月から11月までの間に源泉徴収した住民税を12月10日までに、12月から翌年5月までの間に源泉徴収した住民税を6月10日までに、納付することになります。

所得税と住民税では、納付の期日が1か月ずれることには注意が必要です。

所得税と同じだと思っていると、住民税の納付が漏れる可能性があります。

住民税の納付期限には、十分に注意しましょう。

まとめ

源泉所得税と、住民税の特別徴収については、手間を考えて、半年に一度納めればいい納期の特例をおすすめします。

納付の回数が、原則の1/6になりますので、手間は削減されます。

一つ目の注意点は、所得税と住民税では、納付期限が違うことです。

所得税の納付期限は7月10日と翌年1月20日、住民税の納付期限は12月10日と6月10日です。

二つ目の注意点は、半年分の所得税や住民税が、高額になることがあるので、資金繰りの計算に入れておく必要があることです。

手間はかかっても、一度に支払う金額を少なくしたいという人は、原則通り、毎月納付したほうがいいでしょう。

【編集後記】

先週のアド街ック天国のテーマは、銚子でした。

アド街ック天国でもランクインしていましたが、地球の丸く見える丘展望館の眺めは絶景です。

アイキャッチ画像が、地球の丸く見える丘展望館から撮った写真です。写真でも、微かに地球が丸いのがわかりますかね。

今日の体重 74.1kg(ダイエット開始から△2.4kg) お腹周り 91cm(ダイエット開始から△5cm)


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。