税理士試験の受験者数が減少しているのは、魅力がないと思われているから

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税理士試験の受験申込者数が国税庁のホームページで発表され、今年もまた申込者数が減少しました。

2年前にはこんな記事を書いています。

税理士試験の受験者数は減少し、独立をめざす人も減少している?

2016.05.30

以前の記事では、平成22年から平成27年までの受験者数をグラフにしていました。

少なくても平成23年から毎年受験者数の減少が続いています。

平成30年は、まだ試験が終わっていないので、受験者数ではなく申込者数で見ますが、前年比で約6.6%も減少しています。

なぜ税理士試験の受験者数は減少しているのでしょうか。

税理士に魅力を感じないから

1番の理由は「税理士に魅力を感じないから」、これに尽きると思います。

税理士に魅力を感じる人が多ければ、受験者数も減ることはないでしょう。

では、なぜ税理士に魅力を感じないのか。

最初に思い浮かぶのが、税理士はAIの出現で10年後に仕事がなくなると言われていることです。

何年も前から10年後と言われているのは、さすがにおかしいだろうと思うのですが。

10年後になくなると言われることのインパクトは大きいと思います。

10年後になくなる職業に就こうと思う人は少ないでしょうから。

さらに、税理士試験は3~5年、働きながらであれば、5~10年かかる試験です。

本当に10年後になくなるのであれば、5年以上かけて税理士試験を受けようと思う人がいるはずがありません。

今回の記事では、実際に10年後になくなるかどうかについては触れませんが、そう言われている影響は大きいと思います。

税理士事務所の給料や労働条件が良くない

税理士に魅力を感じない理由の一つでもあるのですが、税理士事務所の給料や労働条件が良くないこともあげられます。

ここでは、税理士になる前を前提として話を進めます。

税理士事務所は生産性が高くはありません。

わたしが最初に働いた税理士事務所の所長が当時から言っていましたし、わたしもそう思います。

しかし、税理士事務所だけが生産性が低い訳ではなく、税理士事務所よりも生産性の低い業種はいくらでもあります。

生産性が低いので、通常は、税理士の資格を持たない職員に高い給料を払うことはできません。

それでも、税理士事務所で職員が働くのは、いつかは税理士になって、いい給料をもらいたい、あるいは独立をしたいと思っているからです。

もし、それがなかったら税理士事務所で働く社員は今よりもとても少ない人数になるでしょう。

そして、給料だけでなく労働条件も問題です。

従業員が数十人以下の事務所がほとんどですから、組織としては小さいです。

数十人以下の組織では、大企業とは違い、組織としては機能していない事務所もそれなりにあります。

残業の問題や、パワハラ、福利厚生など、事務所の所長次第でどんなことでもあり得てしまいます。

時代が時代なので、10年前に比べたら少しは改善されている部分もあるのかもしれませんが、改善されていない事務所もまだまだ多いのではないでしょうか。

インターネットで情報があふれている

今では、こういった情報がインターネットなどで検索すればたくさん出てきます。

インターネットの影響も大きいかもしれません。

以前は、業界に入ってみなければわからなかったことが、インターネットでちょっと調べるだけでわかるようになりました。

税理士業界に入る前にインターネットでマイナスの情報をたくさん見れば、税理士を目指す人も少なくなるでしょう。

しかし、インターネットの情報は間違ったものも多くあります。

特に、税理士事務所を辞めた後に書き込む人は、大抵は不満があって辞めた人です。

円満に辞めた人は、インターネットに、税理士事務所が良い職場だったと書き込む人は少ないでしょう。

ですから、インターネットの情報が全てだと思い込むのもどうかなとは思います。

まとめ

今年の税理士試験の申込者数が発表されて、申込者数がまた減っていると話題になっているようです。

申込者数の減少は今年に始まった訳ではなく5年以上前から始まっています。

個人的には、今更驚きはしません。

しかし、このままでいいと思っている訳でもありません。

世間一般的に聞こえてくる情報は、税理士になっても魅力ないよという内容のものが多いかもしれません。

でも、中には税理士として魅力ある働き方や人生を送っている人もいます。

今の時代、そういった税理士もインターネットで探すことができます。

今後はそういった税理士を見て、税理士を目指す人が現れるかもしれません。

10年後はわかりませんが、現状では税理士という国家資格は、資格がないよりは強力な武器になるのも事実です。

今から税理士を目指すことをおすすめするかと言われれば、「おすすめします!」と即答することはできませんが、既に複数科目取っている人は、1年でも早く合格することをおすすめします。

税理士自身が、税理士には魅力があるよと言えるようになってこそ、受験者数が増えるのかもしれません。

そういったことに自分自身が影響を与えることができればいいなとも思いますが、現状ではそのような影響力はありません。

いずれにしても、税理士試験の受験者数の減少を止めるためには、税理士自身が税理士についてのイメージを変えていく必要があるのかもしれません。

【編集後記】

今日は、佐倉市にあるラーメン屋さん、RAGUMAN2014で冷製サラダらぐまん醤油味を食べました。

アイキャッチ画像がそうなのですが、見た目がきれいです。

冷やし中華は、暖かいラーメンよりも見た目が重要な気がします。

やはりきれいな方が美味しく感じます。

冷製サラダらぐまんも美味しく頂きました。次回は、冷製サラダらぐまんのピーナッツ味を食べてみようと思います。


 

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年生まれ 千葉県生まれ、千葉県育ち。 四街道市在住。 小規模企業の節税に強い、渡邉ともお税理士事務所 代表税理士。 節税をしながら、長期の資産形成をサポート。